森本一夫遺作展 「昭和絵記」

遺作展にあたって
父 森本一夫は昭和2年神戸に生まれました。
幼年期は独自の好奇心と絵心を通して神戸の生活ぶりを観察し、
青年期は空襲による過酷な戦火をくぐり抜けてきました。
終戦後、鳥取に移り住んでからは窮乏生活を強いられながらも
昭和25年、鳥取大丸にデザイナーとして雇用されます。
以後、同社宣伝部に在籍し広告、装飾、催しに携わる一方、
グラフィックデザイナーとしても活動し、
市や県の美術デザイン展等にも尽力しました。
退職後も多彩な作品制作を続けましたが、晩年は滋賀に移り住み、
一昨年平成27年10月9日、88歳にわたる人生を終えました。
遺品整理をする中で思いがけず今回の「昭和の記録」を発見し
私たちは思わず手を止め見入ってしまいました。
独特の感性と線画タッチで描く昭和の生活や風俗模様,
とりわけ戦時下、鬼気迫る神戸空襲の描写は
当時を知る興味深い資料でもありながら父の生きた証しとも言えるものです。
このたび父一夫の三回忌を迎えるにあたりその展示を企画いたしました。
お世話になったみなさまに森本一夫が見た「昭和」を堪能していただければ
よき供養となり幸甚です。

  平成29年 子供一同

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