1300℃ 炎の華に魅せられた女性 倉元里彩さんを尋ねて

 

  こんにちは!スタッフ池田です。倉元里彩 陶展!たくさんの新作が並びますので、ぜひお楽しみにしてください。展覧会の前に窯出しにおじゃまさせていただきました。そのレポートです。

火入れから2日がたち、作業も順調だということで、「いそじ窯」へ向かいました。

鳥取市吉岡温泉を南へ進むと、八矯(やはぎ)という、それはのどかな処に窯があります。もくもくと煙が上がるレンガの煙突が目印です。ブルーと白のシマシマ壁面も個性的で好きです。空気も、水もきれいなところ。

師匠とつくられた、穴窯。ここで、倉元里彩さんの器がつくられています。温度計とにらめっこで、火入れをすると、1週間くらいは、寝ずの番をされます。ご主人のサポートで仮眠を取られることはありますが、温度が気になり、ほぼ寝れません。だんだん食べ物も喉をとおらなくなり、まさに命がけの作業です。赤松など、多種材の薪が準備され温度の条件が整ったところで、投入します。

 

どんどん投入します。只今1030℃。(最高温度は1300°C )  ぱきぱきという音、肌にじりじり、温度が伝わります。

倉元さんに「のぞきお面」というものを渡されました。窯の中を見る際に熱風をさえぎるためです。これが、倉元さんを魅了する炎。紫や青がまじり、美しいです。

器のシルエットも見えます。この作業繰り返され、器をしっかり焼いてから2週間後、窯出し作業をされる日に再び、おじゃましました。

入口の戸は外され、灰を取り出し、慎重に器を取り出す作業がはじまります。

こちらが炎に包まれていた器たちです。

薪に当たってしまって欠けた器も、温度に絶えれず曲がった器なども愛おしく、使える方法、魅せる方法を倉元さんは考えます。

これから磨く作業があり、その工程がいちばん楽しみだそうです。まるで宝石を磨くみたいですね。

手間と時間をかけた先に、出会う器。どれも我が子のように可愛いのです。使ってくださる方を思うと、こんなに楽しいことはないと倉元さん。情熱あふれる女性陶芸作家、倉元里彩さんの窯出し展に、ぜひお越しください。

※ お断り
この記事は2019年に取材に行った時のものです。今回陶展を開催するにあたりいそじ窯のことを知っていただきたくリニューアル再掲載しました)